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 藤堂流

小さいときからそれなりに絵は好きで得意でした。でもデッサンはほとんど勉強せず。中3の美術の夏休みクロッキーで30枚のデッサン画を宿題に出されました。嬉々として取り組みました。ただそれだけの経験ですから自分が絵を描くことなど諦めていました。      事情が変わったのはPaintShopProを扱いだしてから。このソフトは、工夫次第で、写真から輪郭線がとれます。これなら私にも、リアルな絵が描ける、と錯覚をおこしました。現実は甘くなかった・・・

 写真と絵はチガウ。

写真は広角レンズが使われることが多く、実際より遠近感が大きく付いてしまいます。絵にするときにはその修正が必要です。また色の濃淡も差が大きい。顔に出る線は絵にするとほとんどシワ。写真は光を色んな方向から当てて撮っています。どこをトップライトに、どこに陰をつけていいのかわからなくなります。そんな苦労を一つずつ解決しながらスキルをあげてきました。   特に表現に困ったのが、目と髪。私は目に一番存在感を感じます。今でも手間をかけて描くのが目。面積は絵のわずか1、2%。顔の1パーツに過ぎないのに・・・。瞳孔の構造を勉強しました。目尻の血管、目のくぼみ加減、睫毛の影の映り具合、光と陰のつき具合、やりだせば面白くはまってしまいました。

 ヘアサロン

髪を描くのも難しい。女性の髪型は複雑です。わずかな違いが魅力を半減させます。私を救ってくれたのはヘアサロンのチラシ広告でした。3枚のチラシに200近い髪型が描いてありました。顔はともかく髪は丁寧に書いてある(2枚目画)。この絵が私の勉強材料。髪型、顔の凹凸による色の濃淡、一本一本の髪の流れ方、光の当て方・・・このチラシがなければ今の私はありません。いたずらもしました。髪型はそのままに顔をリアルに描いてみました(3枚目)。面白くて楽しくてこの遊びはしばらく続きました。でも、満足できる作品ができるまでには、まだまだ道は遠かった。 

 写真のはめ込みについて

服を描くのは結構面倒なものです。画像5〜6枚目は私が手書きで描いたものです。4枚目のものは写真を取り入れました。取り入れるといっても簡単なことではありません。4枚目の絵でいえば、白い模様を手書きで濃くハッキリと塗っていきます。できあがった後、服全体に立体感を持たせるため、身体の線、陰影の部分を勘案して濃淡を付けていきます。トップライト(体の線の都合で光が一番強く反射するところ)をつけ、それらしく見せます。左の髪の下の部分の衣服を描き込みます(写真では髪におおわれていた部分)。服と他の部分との境界に手を入れます。今覚えているだけでもそれだけの作業をしました。服に手を加えるには一つ大きな理由があります。絵の参考にさせてもらったモデルさんや写真が、服装から特定されてしまうことを避けるためです。

 私の描きたいもの

  レースクイーンさんに詳しい人は、一番下の絵について誰のいつの撮影会がモトになっているのか、おわかりかもしれません。かなり特徴のある服ですから・・・でも、顔を見て違うと思われるでしょう。服装も微妙です。そう違うのです。私が描きたいのは○○さんではない。女性が一瞬見せる優しさ、かわいらしさ、切なさ、といった表情をすくいとりたいのです。だから固有名詞はジャマになります。それで服装からモデルを特定されたくないのです。一枚の絵を仕上げるのに、参考にするのは一枚の写真では足りません。同じモデルさんについて何十枚も見ます。モデルさんの表情や筋肉の動き、感情のエキスのようなものを嗅ぎ取ります。よく似たポーズをとる他のモデルさんの写真だって参考にします。手の置き具合、つめの色など。そして一枚の絵の下絵をこしらえます。私が絵を描くのは女性の美であり、美人の似顔絵ではありません。

ちなみに4枚目以降の作品は全て同じモデルさんを使いました。おわかりだったでしょうか?


 


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